稲ワラの変更について

らくだ坂納豆工房とお取引していただいている皆様へ

【今季の稲ワラが確保できましたので、12月からは再び原田ふぁーむの稲ワラを使用しております。】

2023年8月19日出荷分から、納豆菌のスターターとして使用していたワラが変更になります。

今までは能勢の原田ふぁーむの稲ワラを使用しておりましたが、生産量の拡大に伴い、去年の秋に確保した今年分の稲ワラの在庫が予想以上に早めに終了してしまいました。そのため今後は大阪府寝屋川市のアオゾラ農園の真菰(マコモ)のワラ(栽培時農薬不使用)に切り替えて納豆を製造します。

当工房ではマコモによる納豆自体は以前からたびたび製造しており、発酵自体はもちろん作業性に優れており、香味についても稲ワラの納豆とほとんど変わらないため、今までとまったく同品質の納豆をお届けすることできるかと思います。ただ、マコモのワラを煮沸すると笹のような青く爽快な香りがするため、容器のフタを開けたときは若干そのような香りが感じられるかもしれません。

マコモはイネ科マコモ属の多年草で、日本では稲作が日本に伝わる前から水辺の湿地に自生しており、「神宿る草」として昔から神事には欠かせず、例えば出雲大社のしめ縄はマコモを編んだものです。水田で栽培できるため、最近は稲からの転作で育てられることが多くなってきました。黒穂菌に寄生されて肥大した新芽はマコモダケとしてエスニック料理の食材に使われ、葉っぱを煎じてマコモ茶としても飲用されます。

マコモのワラを使った市販の納豆は、当工房の商品以外では私の知る限り存在しておりません(三重県のメーカーでマコモパウダーをまぶした納豆が製造されていますが、これは培養した納豆菌を使用しています)。ただ、通販では「マコモ納豆手作りキット」などもありますし、マコモ農家による「マコモ納豆ワークショップ」などはおこなわれているようです。

今年の10月には再び原田ふぁーむの稲を収穫してワラを準備しますので、冬以降に稲ワラに戻す予定でおります。それまでは、購入者の方への説明等でご面倒をおかけするかと思いますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

                                                           らくだ坂納豆工房   伊戸川浩一

この記事を書いた人

伊戸川 浩一

伊戸川 浩一